- 2011.08.06
- 関の考え方
米国債 初の格下げ AAAからAAプラスへ
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S&Pによる格付けで、米国債が1917年以来、初めての格下げとなった。
これは、大変なことである。14.6兆ドル(1,140兆円)の累積赤字。年度 米国財政赤字予想 GDP比 2011年度 1兆6450億ドル 10.9% ドイツ 1兆1010億ドル 7.0%
大きい国だけに規模も大きい。しかし問題は、規模より赤字のパーセンテイジ。
米国議会がぎりぎりまで承認されなかったところを見ると、現実は可也厳しいのだろう。これから12年間で2.4兆ドルの歳出削減に取組としている。このようになった原因は、社会保障費、医療費及び軍事費の増大が上げられるようだ。
一方、日本では、この影響もあって、非常に円高が進んで、1ドル=76円台まで突入。
流石に、協調介入はできず、日本単独で為替介入を実施。一時、79円台まで戻したものの予断を許さない状況。輸出立国の日本の経済構造からして、このような円高のままでは経済が崩壊してしまう。
経済が崩壊するということは、当然、財政も崩壊することになる。経済においては昔から、「米国がくしゃみをすると、日本は風邪をひく」と言われてきたが、今も少しも変わりはない。
弱い内需をいかにして拡大するか、大問題である。その日本では1000兆円もの累積債務に苦しんでいる。他国の状況は以下の通り。2010年時点。
国名 格付 累積赤字の
GDP比率ドイツ AAA 83% ポルトガル BBB- 83% 米国 AAA 91% イタリア A+ 119% ギリシャ CC 142% 日本 AA- 220% ※上記は潜在的な経済力を含めた判断なので、GDP比率の多寡のみがそのまま評価基準には表れない。
一方、日銀も量的緩和を10兆円実施。実際にはもっと行うべきである。放出する円量が少ないとその円を競って購入するため、必要以上に円高になる。また、新型オペ方式実施と言っているが、これは、共通担保式資金供給オペを3か月金利固定式0.1%で行ったもので、何か大変な変更が行われたことではない。
また、何故、今の時期に為替介入と量的緩和を財務省と日銀が実施したのか、との疑問が浮かぶかもしれない。
それは、介入の効果がどこまでか、図り得なかったから今までは見送っていたのである。
立て板に水で、効果がすぐに薄れるのではないか・・・米国財政状況が不安を煽る。しかし、日本の国家としての意思を表明し、例え一瞬たりとも輸出産業を助けるのだ、
との確固たる行動として実施したものだ。効果が少しでも長く継続する事を祈る。米国にしろ、日本にしろ、経済不況による税収不足、伸び行く社会保障費、不測の事態
への経費増加など、不安定要因が山積みの中だ。歳入が減って、歳出が増える傾向の中でやるべきことは明確である。
徹底的に削減できる経費を見つけること。それと、長期的投資項目を見つけること。経費削減では、民主党政権が止めた事業仕訳と規制仕訳を断固やるべきである。
ただし、民主党のように切る物を間違えてはならない。それには正しい国家観が必要だ。長期的投資項目では、教育に力を入れることだ。人を肥やし、社会全体のレベルを上げて技術を発展させ、新しい収入となるものを作って行くこと。
これらは、急激にはできない。急ぐと必ず予想外の反作用が起こる。ノンビリしてはいられないが、着実に一歩一歩進めるべきだ。
私は、科学技術の発展に全力で取り組みたい。その技術によって経済復興に努めたい。日本の技術は凄いものである。まだまだ世界をリードしている。強みを伸ばしたい。
強き日本よ、蘇れ。その意識を全国民が持たねばならない。
隣国は、エリート教育を徹底させている。大胆な政策だ。負けてはならない。
今の日本の富が世界に奪われないように。子供や孫の世代も繁栄してゆくように。